過去の小屋入り風景 その2
2016年は室堂側から入山し、剱沢雪渓を通っての小屋入りとなりました。
この年は記録的な降雪不足により、仙人谷の雪渓が危険になっている可能性が考えられる為、安全性を考慮して室堂から別山乗越を越えて剱沢雪渓を下り、二股から仙人新道を登って入山するルートで行く事になりました。
二股の吊り橋はまだ架かっていませんので、スノーブリッジが無ければ登山靴を脱いで渡渉する事になります。
入山の日は生憎の空模様・・・
雨がぱらつく雷鳥沢を渡り、別山乗越まで登り返します。
雨で二股の沢が渡渉できない可能性がある為、この日は剱御前小屋で行動終了となりました。
翌日は素晴らしい晴天となりました!
小屋で朝食をいただいて出発。
剱沢へと下って行きます。
雪渓の雪が少ないものの、問題なく歩く事が出来ました。
ナムの滝から先はほとんど夏道が出ていました。
二股に到着。
吊り橋が架かっていれば数十秒で対岸に渡れるのですが・・・
やはりスノーブリッジはなく、浅い場所を探して渡らなくてはいけません。
沢が広がって一番浅いと思われる場所の両岸にロープを渡し、靴を脱いで渡渉します。
渡っている場所のすぐ下流には剱沢の本流があり、万が一転倒して本流に飲まれてしまえばタダじゃ済まされません。水流は強くはないものの、やはり緊張しました。
すぐ上流には三ノ窓雪渓と小窓雪渓があり、水はかなり冷たかった。
無事に二股を渡り終え、仙人新道を登り返します。
仙人新道の途中から池ノ平山を見ることが出来ますが、既に雪が全く残っていない姿に驚いてしまいました。
晴天無風でかなり暑い登りでしたが、仙人峠に到着すると涼風が吹き、剱岳の景色を眺めながら一休みです。
小屋はもう目前です。
ここに着くとやはり安堵します。
仙人山を巻く登山道を下って行き、池ノ平小屋が見える場所に来て唖然としました。
「雪が全然残ってない・・・。これではビールが冷やせないじゃないか!」
と思ったら、テン場の奥にほんの少しだけ白い塊が!!
この雪は翌日には全て消えてなくなってしまい、ギリギリセーフの入山でした(笑)
室堂側からの入山となると、宇奈月から入山する時よりも歩く距離が断然長くなり、渡渉もあるのでリスクもあります。
雪の有り難さを痛感した2016年の小屋入りでした。
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