小屋入り後の大仕事
2018年の小屋開け入山は本来今日行われる予定でしたが、大雨の影響で延期となりました。
各地で被害が出ており、小屋や登山道に影響が出ていないか心配です。
天候が回復するまで待機となりましたので、小屋開けの時の仕事について少し紹介したいと思います。
小屋に辿り着いてから営業を開始するまでには多くの仕事があるのですが、一番の大仕事となるのが『水場の掘り出し』です。
池ノ平小屋は小屋から200mほど離れた場所にある沢から水を引いているのですが、小屋開けの頃はまだ沢が雪に埋まっており、チェーンソーで雪を切って沢を掘り出す作業を行います。
いわば『小屋開けのビッグイベント!』
力のある男性陣を先頭に、小屋開けスタッフ総出で行います。
小屋に水を引いてしまえばホッとひと安心できるので、この作業は小屋に到着した翌日の早朝から早速取り掛かります。
2年前の記録的な小雪の年は沢が完全に出ていた事も有ったのですが、例年3~4mほどは雪の斜面をチェーンソーで削り出し、水場を掘り出す事になります。
掘る場所は左右の木々に付けた目印を目安にして決めます。
勘も大事。
人が安定して立てる場所を作るように、最初は広めに切り出します。
チェーンソーで四角く切り出した雪は斜面に放り投げ、転がり落としていきます。
かなり掘り下がってきました。
雪の底が近付いてくると、雪の中から微かな水の流れる音が聞こえてくるようになり、チェーンソーを持つ手にも力が入ります。
穴が開きました!!
ドンピシャ!流れの真上に穴を開ける事が出来ました。
安堵の声が上がります。
沢の水を集める為、簡易的に桶を設置し、桶に集めた水をホースで小屋へと送ります。
同時進行で、小屋に片付けてあったホースを水場へと伸ばして行きます。
このホースがけっこう重く、言うことを聞いてくれないホースなので難儀なのです...
設置したままにしておけたら良いのですが、水場までは小さな沢を何本か渡るので、冬場雪に流されてしまう可能性があるのです。
小屋の掃除片付けをしていた女性陣も加わり、小屋開けスタッフ総出で行う大仕事。
ホースの水は架線で小屋の屋根へと渡り・・・
無事、貯水タンクに水が流れ始めました。
あとはこの貯水タンクを綺麗に掃除して、各蛇口へと流れる元栓を開ければ小屋への水引が完了となります。
池ノ平の水源は湧き水で美味しい水ですが、夏場に雨が何日も降らないと涸れそうになって小屋まで水が供給されなくなる時もあります。
タイミングによってご不便をお掛けする時もあるかも知れませんが、ご理解をお願い致します。
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