池ノ平小屋へ今シーズン初歩荷!

もう数週間前の話になってしまったのですが、5月末から6月頭の期間で池ノ平小屋へ歩荷に行ってきました。

『ヘリ荷上げなし営業』に向けての第一歩!! 春のボッカ隊が始動致しました!!

と華々しく書いてみましたが、池ノ平小屋のスタッフで重量級の歩荷が出来るのは実質1名のみ・・・ハイ、私です(^^;

また、感染予防の観点から、他のスタッフと一緒に小屋に行って寝泊まりする事は避けた方がいいと考え、今回は私たち夫婦のみで歩荷を行う事になりました。

今回は大きな資材を運ぶ為、雪渓に雪が豊富に残っていて枝や岩肌などとの接触が少なく歩ける5月中旬を狙って計画を練っていたのですが、天気がいいタイミングがなかなか無くて5月末になってしまいました。

期間中に2回の歩荷を行いたい為、1回目の歩荷から帰ってきたら富山市内に1泊して、再び池ノ平小屋まで歩荷する計画で出発しました。
私は長野県に住んでいる為、毎回帰って来ると時間もお金も掛かってしまうので、1回行ったらまとめて歩荷しようと言う考えです。

明るくなって雪渓の雪が腐りだすと歩き難いため、少しでも涼しい時間に進んでおこうと思い、未明の3:18に室堂を出発。

例年なら5月末と言うと剱沢雪渓も下部までしっかりと雪に覆われていて、一度も樹林帯を歩かずに小屋まで行けるはずだったのですが、今年は標高の低い場所の積雪が例年にないくらい少なく、真砂沢ロッジから下部は地面を歩く場所が多くなってしまいました。

剱沢の岸壁をへつるポイントも完全に雪が無く、鎖を掴んで落ち掛けた丸太の上を通過。


例年だと二股の吊り橋付近もしっかり雪が残っていて、スノーブリッジを渡ることが出来るはずが、今年は完全に流れが出ている状態。
渡渉を余儀なくされました。

二股からは旧道の北股ルートを進みます。
三ノ窓氷河を横目に見ながら、雪渓をひたすら登れば池ノ平に到着します。

三ノ窓氷河はいつ見ても圧巻の景色!!

早出したおかげで締まった雪渓をどんどん歩き、余裕のある時間に小屋に到着することが出来ました。
無事1回目の歩荷を終えることが出来ました。

小屋の有る2,000m台まで標高を上げると、積雪量はむしろ去年よりも多い状態で、屋根の上に載っている雪も去年よりも多く残っていました。

到着した翌日は休息日にして、小屋内の片付けや屋根の雪下ろしを行い、その次の日に小屋を出発して室堂に一旦下山。
富山市内まで下って1泊し、もう一度同じルートを通って池ノ平小屋まで歩荷を行いました。

今回は偵察も兼ねているので2人で計70kgほどと少なめの歩荷ではありますが、軽いけど嵩張る荷物もあり、意外と疲れる場面もありました。
それでもこの季節は雪渓を一直線に歩いて行くことが出来るので、来年はもう少し長い材料も運ぶことが出来そうな感触を得ることが出来ました。

これからの季節は雪解けが進み、大きな物を運ぶのは大変な季節になってしまいますので
大きな物は春の雪渓がある時期に・・・
雪解けが進んだら小さくて重いものを・・・
といった具合に計画を立てるとうまく行きそうな気がします。

それにしても・・・

昔の人はこんな山奥までよく食糧や大量の資材を歩荷したものだと思います。
もし歩荷を生業にするのであれば、もっと重い荷物をもっと多い回数歩荷する必要があると思います。
そこまでの体力も気力はありません。
ホンモノの剛力は100kg以上を担いだと言うのですから驚きです!!

重い荷物を担いで山を歩く度に、昔の人の体力と気力の凄まじさに感服します。


歩荷の様子をまとめた動画も作りましたので、宜しければご覧ください。

北アルプス 奥劔 池ノ平小屋 公式ホームページ

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